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介護用お風呂の椅子について使った立場からの意見と感想と、幸せの「ケロリンお風呂椅子」の関係

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介護に関わってくると、まず、懸案になるのが、お風呂=入浴です。

同居しているいないにかかわらず、動きがあやしくなってくると、お風呂タイムはとても心配です。

実際に入浴の手伝いをするときにも、とても気を使いますし、介助すればするほどあぶなっかしさを実感します。

 

食事と睡眠と排泄と、そしてお風呂。

 

歳をとっても、最初の頃は、ひとりで入浴できるとして、やがて、見守りや心配やお風呂から出てきたときに手伝うことが多くなります。

そのころから、入浴中の仕草を安心なものにしてあげたいと思うようになり、そのときに手っ取り早く実行できるのが、お風呂の椅子を介護用のものに変えることです。

 

お風呂に入って座るときの安心感、安全さです。これは、ほんとうのところは本人に納得してもらってから購入するのが一番なのですが、そうも言ってられないのが介護用品を選ぶときの難しさです。

(本当に座りやすいのか、楽なのか、安心なのか、安全なのかは本人によ〜く尋ねていくのが大事。本当のこと=ほんとは気に入ってないけど、せっかく買ってくれたから不満を言ったら申し訳ない、とか)

 

介護用のお風呂の椅子は、一見みんな同じように見えますが、ディテールを研究していくと、細かく仕様が違っていたりするので、状態に合わせてしっかりと(そうちょいちょい買うものでもないし、買うとかさばるし、置くところに困る)選んだ方がいいと思います。

 

 たとえば、こういうもの


 

 

うちは、入院して帰ってきたときに自力での入浴がまだできたのだけど、それでも急いで買ったので「ネットでポチ」ということになりました。

 

が、もしも、介護保険で要介護がついているのであれば、自治体にもよるかもしれませんが、カタログをもらってその中から選ぶようにすると(いろいろ制約はあれど)介護保険で少しお安く買うことができます。

 

ただし、さらに、ここで注意が必要なことがあります。

介護保険を使ってしまって、あとでほかの重要なことに使いたいときに足りなくなる、ということがある、かもしれないのと(詳しくはわからないので、調べてみてください)、

介護保険でケアマネージャーさんが選んでくれた介護用品の業者さんのカタログに、いいなと思う商品がなくても、その中で選ばなくてはいけない(雰囲気になる。本当は違っていて、ほかのものが見たいと言えばいいのですが、なかなかそうは行かない場合があるのと、どのカタログも同じに見える)ような気がして、あとあと後悔する。

さらに、実は介護保険で安くなると言われ、喜んで買って、楽天とかアマゾンで調べたら同じ価格か、もっと安く出ていたということがある。

ので、もしも余裕があったらちょっと考えて、使いやすい、本人と家族にとってなるべくベストに近い商品を見つけることができますように。

 

 こういうのもありますね。こういう感じのもので大丈夫であれば、そこそこ清潔にはしておけるかもしれない。

 


 

 

この介護用のお風呂椅子のついて、たぶんおすすめの椅子だとか、こういうのがあるだとかいうのは記事としてあるかもしれません。読んでいないのですが。

 

しかし、この椅子のなんだかあまりよくないなあと思うような記事は見つからなかったので、控えめにちょろっと記録しておきたいと。

 

この椅子は、控えめに言っても大変「ごつい」。丈夫でしっかしていてぐらつかず、座面も安定していて大きく、というのが大前提でしょうから(当然)、こういう姿形で当然(本音としては仕方ない)ということです。

 

うちはこのタイプ。座面のみにシンプルなもの。高さの調節ができることがいいのだけど、それがかえってあだになり、その周辺がきれいにならない。防カビ加工をしているので、かびの発生を「抑制」と書いてありますので、かびが生える可能性があることを示唆していますね。でも、防カビ加工は大変良心的だと思います。複雑ですが。。。

 


 

 

病院や介護施設のような大きなお風呂や余裕のある場所でならこういったものもよいでしょうが、自宅の、ささやかなお風呂場で、この介護用のお風呂椅子はあまりに存在感があります。

ヘタをすると、洗い場の半分近くを占拠することとなり、それでも大きな声どころか、こうして声に出して言うのもはばかられるほど、そういうことを言うものではない、的な問答無用の重要用途なので。

だから、さらっと書こうとしましたが、介護される人にとって安心安全なことが第一なのは当然ですが、この椅子の存在感はなかなか厳しいものがあるので、心して購入した方がいいと思います。お風呂のとき以外はお風呂場から出すなども必要かもしれない。

 

また、この椅子は湯船に入るときに湯船のなかに入れて、座らせることもしたかった(もしかしたら湯船に入れる用の重い椅子があったかもしれない。でも、やはり使い勝手が悪くて、途中で退場してもらった記憶があります。重くて持てなくなった。わたしが・・・)のですが、思いっきり浮きますので、そういう使い方はできないです。

 

今回の本題に入りたいのですが、この介護用お風呂の椅子は、構造がとても複雑です。

 

ということは、先にも言ったように必然かもしれないが、とても扱いが難しい。

要するにきれいにしておくことが非常に困難な商品なのです。

たぶん、どの商品もだいたい同じレベルで掃除がしにくいと思います。

 

どのように掃除してもきれいにならない(たぶん、思いっきり浮きますが、上から抑えつけて、漂白・殺菌剤に浸すという方法ならきれいになるかと)。

 

それでも、ほかに選択肢がなかったので、使い続けました。

介護用お風呂の椅子の掃除のしにくさは、たとえば、寄りかかる背もたれや肘掛けなど、付属のものが増えていけばいくほど洗いにくさ、清潔に保つことが困難になることは増していきます。

 

うちはシンプルな座面のみのものでしたが、それでも座面を外し、裏返してすべてを洗うのは大変でしたし、もっというと、絶対に洗うことが困難な箇所というのが存在するので、これはもうハイターとかカビキラーなどを注入してあとすすぐという方法しかありません。

 

このようにきれいに使い続けることが、こんなに大変だとしつこく書くのかというと、実は最近の暑さのせいかどうかわかりませんが、パイプの中に虫がわいているのを発見したのでした。

これだけ、なるべく清潔にしようと奮闘努力していたにもかかわらず、です。

 

そして、最近、我が家では、介護用お風呂椅子を辞めました。

で、どんなのにしたかというと、これです。

 

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決して、思い余ったとか、冗談でとか、笑いを取ろうとかそういう安直な選択ではなくて、本質・初心に返ったすがすがしい決断です。

 

このお風呂椅子は、ご存知の方も多いかもしれませんが、かつて(いまも?)銭湯や温泉に行けばどこにでもあった有名ポピュラーお風呂椅子。

この商品が出る前は高下駄のような姿形の木製の椅子でしたね。

ケロリンという痛み止めの薬の椅子です。なんでケロリンが椅子になっているのかよくわかりませんが、椅子のみならず、お風呂用の桶があり、桶の方が有名だと思います(永久桶と言われていたそうで、そうだったら、永久お風呂椅子です。こういうのがレジェンドです)。

桶はこれ。欲しかったけどがまん。関西桶と関東桶があるというのを初めて知りました!


 

 

別にファンではありませんが、こういうサイトがあり、楽しめました。参考になりました。桶に並んでお風呂のタオル欲しいでした。

 

www.kerorin.com

 

まず、正直に言えば、ケロリンお風呂椅子を選んだのは、懐かしかったからです。

が、このことはとっても重要で、楽しいお風呂ライフになりました。

こんなことで、と思うかもしれないのですが、心というのはそういうものですね。

お風呂場が大変楽しい感じになりました。

たとえ、インテリア的にいろいろな主義・主張を損ねかねないキケンをはらんでいるとしても、そのリスクをもってしてあまりある心の楽しさ。

 

こういう「楽しさ」は実は現在の介護用品に一番欠けている要素です。ケロリンお風呂グッズのような懐かしい楽しさはお年寄りにとってもぴったりだと思います。

 


 

 

ここで、本来の今回のこの記事の目的:まじめになってみますと、この椅子は大変洗いやすい一体成形です。もうあの複雑怪奇な形状にはこりごりだったので、このつるっと裏表洗える一体感は極楽ものです。

 

また、さすが?銭湯・温泉で繁栄したものらしく、案外と座り心地が良くて、安定感があり底にゴムもついていて、これでなんの不満があるのといった完成度です。

また、高さもちょうどよい(要家族それぞれに意見を伺う)26センチ程度で、座面も非常に座りやすいのです。

 子どもや小柄な人にはもうひとつ、高さが低いタイプもあります。

 

介護用のお風呂椅子は、だいたい高さを調節できるようになっているのですが、この高さ調節機構があだになって、掃除がしにくいので、もしも購入前にカタログやネットなどで、希望の高さ(座面高)がわかっていて、調節しないでいいというのであれば、調節のないものの方が扱いやすい。

 

ただし、このケロリンお風呂椅子を介護用として推薦しているというわけではなくて、むしろ、ココまで書いてなんですが、介護用として成立することは難しいかもしれない(座面がつるっとしている、お尻より大きくないので、安定感が介護用よりやや劣る。でも、ちょっと書きますとつるっとしていな「あの」介護用お風呂椅子のウレタンのような座面は劣化が激しい。汚くなる。掃除しにくい)ですが、なぜここでケロリンお風呂椅子を持ち出したかというと、

介護用お風呂椅子と、ケロリンお風呂椅子がうまく融合したような、新しい本当のユニバーサルな介護用お風呂椅子というのが作れないのかといったことが言いたいわけで。

介護される(使用する)人と、介護する(この商品を扱ったり洗ったりする)人がともに使いよいようなものですね。

ケロリンお風呂椅子のような介護用お風呂椅子ができたらすばらしいと思います(少しあるような雰囲気も散見しますが、まだまだなような・・・)。