ジークエンスというブランド名のノートがあります。
わたしは、長くジークエンスのA5サイズ方眼罫ノートを愛用しています。
通常版というか普通版、レギュラーのもの
過去の記事はこちらです。
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と⬇
このノートの正式名称は、ジークエンス(ZEQUENZ)360といって、360というのは、360度にノートが折れる(二つに外側へ見開ける)という意味です。から、見開きをそのまま折り曲げて書いたり、見たりすることができ、とても柔らかくて便利です。
裏移りもしにくくて、書きやすく、重くなく(適度な枚数・厚み)シンプルで丈夫。
本家のホームページ:
日本から買うこともできるようですが、日本では銀座の伊東屋さんです。
www.ito-ya.co.jp上記は商品一覧というそっけないリンク表現ですが、ZEQUENZの特集ページに飛びますので、詳しく説明されていてわかりやすいです。オンラインショッピングできます。
コロナのこともあり、最近はずっと伊東屋さんが出店しているamazonの伊東屋タイムバリューというところから購入しています。良心的です、さすが伊東屋。
ところが、まったくすべてが気に入っていたわけではなく、気に入らない点もあって、なかなか心苦しいノートで。これは、個人的見解で、言わば偏見ですのでそういうことを思っていてね、という程度です。
偏見一覧
・紙質がちょっと・・・:これはモレスキンとは相反するのですが、モレスキンは上質だろうとは思うけれど少し薄くて、ジークエンスはそれに比べて厚みはあるけれどなんとなく上質さに物足りない(コスパ的に)印象。ジークエンスは、言ってみれば昔の小学校の頃のノートのような正統派紙質。たぶん、だれも文句は言わないと思うちゃんとしたレベル。
・少し白すぎて・・・:まったくの偏見で、いやだったらやめれば、くらいわがままな感想。
・方眼罫が・・・:最近、ドット方眼に目覚めたので、あまり気にしないようにしているがやはり気になってきていた。
ところが、こんなわたしの気持ちがすべて透けて見えたかのような、新しいジークエンスが登場した(それも限定販売で。限定って・・・)。
この新しく出た
「ゼニス・エンタープライズ 【限定】ジークエンス360_ザ・カラー ノート(L ドット罫)」
シリーズは、現在出ている通常版より少しお高くて15色展開(amazonに全色あるかはわかりません)、ただし黒がないです。
色が微妙に美しい。
このシリーズは、まさにさきほどの偏見に満ちた不満足点をすべて解決していました。
・紙質が・・・:ほんとうに上質っぽくなり、驚くべきことにロイヒトトゥルムのノートの紙質に「そっくり」になりました。これもまた偏見かもしれないので、個々人さまのご判断しだいという事で。
ちょっと補足しますと、ロイヒトトゥルムのノートの紙質にわたしは個人的に「個性」を感じています。それは、表現が難しいのですが、言ってみれば「マットな質感」。
しっとりというか、もったりというかまったりというか、そういう質感があるような気がしています。それがとても気に入っていて、ジェットストリームでもモンブラン等(油性ボールペン、水性ボールペン、万年筆)でも、さらには、ジャーナル系には必須とも言えるかもしれない「消せる」フリクションボールペンでも書き味がよろしい。
その独特の質感が、このたびのこの「限定販売版」(この他にレギュラー版ジークエンスとの差別化ネーミングがあまり思いつかない。自分でつけても意味ないし。言ってみればカラー版でしょうか。通常版は黒・白・赤のみ。他のバリエーションはありますが)ジークエンスノートの質感にもあるわけで、これは驚いたのでした。
いきなり出現したニュー・ジークエンス(ちょっと新しいネーミング。誰にも識別できないここだけのニックネーム)のマットな質感は、最大のライバルっぽい(競合)位置づけだと思いました。
・白かった色味が・・・:黄味っぽくなりました。双方並べて比べてみると、ジークエンスの方が少し赤みがかかっていて、ロイヒトトゥルムの方が少し黄みがかっているような気がします(画像の色彩再現力が貧弱でどうも・・・)。
・方眼罫が・・・:ドット罫に、、、いままでジークエンスにはなかったのですが、ついに出ました。
というわけで、ロイヒトトゥルムの柔らかい版ノート(ただし、ページナンバリングなし)が登場した感があります。
他の、レギュラー版のジークエンスとの違いですが、表紙のビニールというかそういうのがちょっとすべらないっぽいラバー的(ラバーではないと思う)な感じになっています。これは滑らないです。いいのか悪いのかはわかりませんが、トップ写真(ZEQUENZのロゴ)のライラックのノートは今朝、まさに珈琲をぶちまけたあと水で濡らしたキッチンペーパーで拭いたノートです。すぐに拭きましたからでしょうが、まったくきれいになりまして、ありがとうございます仕様になっています。
ここまで読まれて、おわかりかと思いますが、この新しいジークエンスはかなりロイヒトトゥルムのドット方眼罫を意識した商品開発なのかもしれないということです。
ロイヒトトゥルムは、バレットジャーナルという手帳およびスケジュール管理方法で、一躍有名になった老舗ノート屋さんです。
実は、わたしもバレットジャーナルを活用しています。
が、このジークエンスはページナンバリングがないので、バレットジャーナルには不便です。
また、一冊のページ数が100ページとロイヒトトゥルムのハードカバーと比べると半分以下のページ数で、これを考えるとバレットジャーナルとして使うのは、わたしにとってはあまり便利ではないです。
が、さっきからしつこいように、様々な不満を解消してくれた新しい(なぜか限定販売の)ジークエンスはいままでのレギュラージークエンスを越えた、個人的定番商品になりつつあります(日記やプロジェクトごとのノートなので、ページナンバリングはなくても〜。あったらうれしいけれど〜)。
ロイヒトトゥルムのバレットジャーナルについてはまた別に書いてみたいと思いますが、ロイヒトトゥルムの(ドット方眼罫は)表紙はハードタイプだけではなく、ジークエンスのようなソフトタイプもあります。
だから、だったら、ロイヒトトゥルムのソフトタイプならページナンバリングもあるし便利じゃないか、同じ事じゃないか、と思われるのももっともです。
もちろん、買って使ってみました。
ただ、ジークエンスのようななめらかな360度展開にはならず、がくがくしてやっぱりこのジークエンスのソフトさ(しかもノートの仕組み?ばらけないのです)には勝てません。
ソフトタイプのロイヒトトゥルム
⬇(伊東屋タイムバリュー販売ではないかも)
「ロイヒトトゥルムのドット方眼罫」という特殊なジャンル(バレットジャーナル仕様)に「似ているノート」が出てきているような気がするのは、ジークエンスだけではなく(ジークエンスがそうとは断言していません。「のような気がする」程度ということで)、ほかにも見つけることができます。これは、商品開発をしているとよくあることで、残念なのかいいことなのかは、難しいところだと思います。
いろいろな意見があるかと思いますが、老舗に敬意を払い、よく見てみれば老舗の良さは変わることはなく使い続けていくことを誓うということで、わたしの中では腑に落ちております。
商品開発の現場では、まさに
「〜〜みたいなの作りたいんですよね」
「そこんところポイントで、、、」
的なことは、「いつも」「常に」「当たり前」と言っていい。
改良なのか進歩なのかまねっこなのか2匹目のドジョウなのかは、出てきたモノが語っていくのかもしれません。
最後に、この比較でやはり決定的なのは、ロイヒトトゥルムよりジークエンスの方が値段が安いので使いやすい。
でも、たくさんノートを消費する立場から言うと高いと思います。
記録的に使用するノートは、使い心地が一番だとは思うけれど、消耗品なので価格をもっと抑えてもらえたら大変ありがたいのですが。。。懇願。
2020年10月24日
追記:限定カラーバージョン版を使ってみての感想です。
表紙の色が薄めの場合、ラバーっぽいからでしょうか、少し汚れやすいような気がします。つるっとしていないので汚れ、ペンのあとなどが残りやすいような。
もうひとつ、わたしにとってのマイナスを発見しました。通常版よりも重いことです。最初は気にならなかったのですが、紙をスクラップしたりしているうちに重さに気づきました。計ってみると50グラムくらいの差なので、気にするほどではないかもしれませんが。